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高田洋一“呼吸する翼” Takada Yoichi "Breathing Wings"

美術家・高田洋一の空気の僅かな動きや、風に反応する作品たちを紹介しています。   代表的な作品、最近作を取り上げながら、解説風に制作史をお話しています。展覧会情報、教育普及、日々のデキゴトも紹介しています。カテゴリから選んで楽しんでください。連絡先:〒252-0003 神奈川県座間市ひばりが丘3-15-2 P/046-258-0191 E-mail:takada.yoichi@nifty.com

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玉 翼 

◆page-0001(カブトガニ)・

■ 玉 翼 tamatsubasa 1985
L/700×H/240×W/300(㎜)
和紙、竹、石、真鍮、他

昔話の続きを少々。卒業制作('79)を終了したお陰で、ある種憑き物が落ちたのでしょう。
私は、卒業間際の授業時間に「翼Ⅰ」(1979制作 和紙、竹、黒御影石)のアイデアを思いつきました。

その前から、風を扱い、自然の姿を表現する彫刻なのに、どうして姿は金属で出来た、メカニカルな姿をしているのだろうと、自分の仕事に内心違和感を抱いていたのです。

研究室の外に実験中の模型を並べては、一日中作品が風に踊る姿を眺めて、夕方にはその模型たちをアトリエに仕舞い込む。そんな毎日の中、部屋の中に仕舞った模型は、みんなジッとして動きません。
それは風が吹かないのですから、当たり前とも言えます。
でも、そこには私が呼吸をしているのですから、空気はあるのです。
たとえ僅かでも、空気は動いている・・・。

風というものへの、固定概念に気づいたのです。
秒速3㎝の風だってあるはず・・・。
そんな気づきが「翼Ⅰ」が生まれるキッカケだったかもしれませんね。

写真の「玉翼」は、そんな動く彫刻に対する、憑き物が取れた後の仕事です。
和紙と竹を選択したのは、「日本」を意識したわけではありません。

結果としては同じことになるかもしれませんが、プラスティックやステンレスといった、その時代を代表する素材にも関わらず、その正体が今ひとつ解らないで加工も困難な素材に、当時の屋外彫刻の作家達が、振り回されている状況に決別をするため、直感で理解できる素朴な素材を使いたいという思いが生まれていたんですね。これらの作品は、そんな作家としての宣言でもあったのですね。

直感的に、その材質の正体がつかめるもの、日常の中にあるありふれた材料、紙や竹ヒゴや石ころ、出作品を作りたい。人がモノをつくる喜びを復権させたい。それが結果的に「日本的」な景色の作品を作ることになったわけです。そんな野心があったようです。

もの派」と言われる美術運動の先例も受けている世代なので、それも無関係ではないでしょうね。
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  1. 2012/03/11(日) 17:19:42|
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プロフィール

高田洋一彫刻研究所

Author:高田洋一彫刻研究所
高田 洋一/Takada Yoichi(彫刻家/Sculptor)'56年大阪生


'79大阪芸術大学美術学科卒
'05-'10東京大学大学院総合文化研究科「科学技術インタープリター養成プログラム」特任教員
'90文化庁芸術家在外研修員としてベルリン留学。


■ 和紙、竹、石などを用いた僅かな空気の流れを捉える繊細で緩やかな作品の動きが早くから注目され、内外美術館、画廊での展覧会開催


■ 主な受賞/'81第15回現代日本美術展/大賞。第6回ブルネル・アワード/奨励賞―芸術の鉄道への適合部門―、他。


■ 主なコレクション/兵庫県立近代美術館、富山県立近代美術館、埼玉県立近代美術館 他にパーマネント・コレクション。


■ 主な公共プロジェクト/JR大阪駅、日本経済新聞社本社、横浜銀行本店、横浜国際総合競技場、香港・青衣駅(Tsing Yi Sta.)など大規模な公共作品の作例多数。「水の声」「風の花」「風の道」「森の光」など建築的、環境装置的な展開も注目される。


■ 主な教育普及活動/アートとサイエンスなどを繋ぐWS、教育普及にも'85から各地の美術館、学校で活動。

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